アラサーがフリースタイルダンジョンを見てラップを始めた結果

若者のつもりがもうすぐ28歳でロックスターであればそろそろ死んでしまう年齢なんですが、昨年なにを思ったのか唐突にラップを始めまして。思いのほかいろいろなことがあったので2016年を振り返ってみようと思います。
だいぶ長くなってしまったので、長文とか読むのめんどくせぇという方は下記のリンク先にあるアルバムを聞いてもらえると嬉しくて小躍りします。

MAZAI RECORDS - "MAZACON1" - Download | Added by MAZAI RECORDS | Audiomack
MAZAI RECORDS - "Python Code" - Download | Added by MAZAI RECORDS | Audiomack
 

きっかけ

2015年の末あたりにtwitter上で色んな人が「フリースタイルダンジョン」と言っているのが目に入り、気になってググり、Youtubeで見て「やべ〜〜〜〜〜かっけぇ〜〜〜〜〜」となったのが最初のきっかけです。
はい、完全にミーハーなやつですね。
それからしばらくはちょこちょこバトルの動画を見たり、たまにtwitterで「ラップできるようになりて〜〜」と投稿したりはしていたのですが、実際にラップを始めるまでにはしばらく間が空きます。
 

課題曲

「ラップできるようになりて〜〜〜」と言いまくっていた2016年の2月ごろ、ヒップホップ好きの友人Kから「ラップ練習して一緒にカラオケに行こうぜ!課題曲はこれだ!」とこちらのURLが送られてきました。


[J-HIPHOP] Buddha brand - 大怪我3000 [歌詞付き]

どう考えても初心者向けではないと思うのですが、1番最初にこの曲を紹介してくれた友人には今になってとても感謝しております。
しかし生まれつきの腰の重さが災いし、課題曲をふられてすぐに練習を始めたわけではありませんでした。BUDDHA BRANDのCDを購入したのはそれから1ヶ月後、ラップを始めたのは更に2ヶ月後になります。
 

練習開始

とはいえそれまで何もしていなかったわけではなく、2月から5月にかけてヒップホップ/ラップ系のイベントにちょこちょこ遊びに行ったり、BUDDHA BRANDダンジョン出演者まわりの音源を聞いたりしていました。
そして、とあるライブ行ったときに突然何かの閾値を超えたのか、「ヒップホップ、あるいはラップミュージックというものがどういうトピックを扱っていて何を指向しているのか」がぼんやりと、しかし唐突に分かった瞬間がありました。
またその時直感として、その指向性というものが自分が大学生の後半から興味を持ち続けていたことと結構重なるのではないか(この点に関してははまだ自信を持って言語化することができないのと、長くなりそうなので割愛します)と思ったのもあり、それならば私がラップにチャレンジする意味はあるな、ということでその日帰ってすぐに練習を始めました。
これが2016年の5月8日のことです。
 

ヒップホップ入門

音楽を聞く事自体はもともと好きだったので、中学生の頃に8mileの流れでエミネムを聞いたり、大学生の頃にgroup_inouとかキエるマキュウを聞いたりと、ラップミュージックやヒップホップにもあたるような音楽を聞いてはいたんですが、ジャンル聞きするタイプではなかったのもあってヒップホップやラップというものを意識して聞いてはいませんでした。
しかし、フリースタイルダンジョンの話題を中心として日々twitter上で繰り広げられる学級会を目にする内に、これは文脈とか歴史とかが重んじられている文化なのだなということが薄々わかってきたので、根っからのお勉強野郎精神を全開にして、まずは知識を入れるところから始めました。
主に読んだのは、『文化系のためのヒップホップ入門』『LEGENDオブ日本語ラップ伝説』、あと友人Kからもらった『ラップのことば』です。

文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)

文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)

LEGENDオブ日本語ラップ伝説

LEGENDオブ日本語ラップ伝説

ラップのことば (P‐Vine BOOKs)

ラップのことば (P‐Vine BOOKs)

『文化系のためのヒップホップ入門』はアメリカにおけるヒップホップの成り立ちから今までの流れがまとまっていてわかりやすかったですし、『LEGENDオブ日本語ラップ伝説』は後追いだとつかみにくい当時の温度感やラッパーどうしの関係性が伝わってきておもしろかったです。
『ラップのことば』は特にK DUB SHINEさんのパートに顕著なんですが、ラップに特有のロジカルさとかシステマチックな要素を知ることができて、ラップというある種の言葉遊びにより興味を持ちましたし、ものすごく参考になりました。
 

練習会参加(6月)

そんなこんなで、大怪我を練習したり本を読んでいるタイミングで「初心者向け女子ラップ練習会(G.I.R.L)」の告知と参加者を募集するツイートが目にとまりました。
謙遜するまでもなくコミュニケーション能力に長けるタイプではないですし、いくら初心者向けとは言えいきなり飛び込んで大丈夫なのかという不安があったんですが、この練習会に参加したことで、DocManjuさんやJabvaraさんをはじめとして今一緒にラップをしているMAZAI RECORDSの方々と知り合うことができたので参加して本当に良かったという気持ちでいっぱいですし、もし参加していなかったらフワッとした感じでフェードアウトしていたんじゃないかとも思っています。
実際の所、この練習会当日までフリースタイルの練習はほとんどしたことがなく(前日くらいに焦って始めた)、人前でラップするのも初めてだったのでガチガチに緊張して非常に情けない感じだったのを覚えています(いまだにフリースタイル下手なのは変わりませんが)。
この練習会はKAI-YOU.netさんで記事になっているんですが、
女子ラップ練習会潜入レポ! 女の子の香りがするサイファーとは? - KAI-YOU.net
そのしどろもどろな様子が克明に記録されていて非常につらい気持ちになります。
 

大会とサイファーに初参加(7月)

練習会参加後、「これはもっとフリースタイルをやらないといけないな」ということで、風呂にiPhoneを持ち込んでの練習を始めました。
フリースタイルを練習するとかダセェよみたいな意見もあり、ごもっともだと思うのですが、生まれつきダサいのは100も承知なので、黄猿さんのブログを参考にしつつ練習してました。
フリースタイルラップのやり方|黄猿 kizal mitsu 酔っぱらい

しかし、しばらくして練習会で人と一緒にラップしてた時の楽しさが妙に恋しくなりまして、とある社会人限定の大会にエントリーしました。
「スキルより社会人としての生き様を評価」と書いてあったので割と気楽に参加したんですが、いざ会場に行くとみんなちゃんと格好良くフリースタイルをしていたのにチキってしまい、完全にクソダサいラップをしてしまいました。見たことを後悔してうっかり手首を切りそうになるくらい本当にどうしようもないので動画を見つけても絶対に見ないでください。よろしくおねがいします。

あと、エントリーに関してMCネームを申告する必要があったので、このときから「MANOY(マノイ)」と名乗り始めました。由来に関してのおもしろエピソードは特にないので割愛させていただきますが、もっとインパクトがあって覚えやすい名前にすれば良かったと思うこともあります。
もちろん本戦出場はできませんでしたが、自分は場数を踏まないとだめな人間なのだからもっと人前でラップしようという教訓を得て、よりちゃんとラップをしていくきっかけとなりました。

そしてその翌日、「よっしゃ積極的にサイファーとか行くぞ!」ということでtwitter検索でみつけた「 秋葉原サイファー 」さんにさっそくお邪魔しました。
この時、6月のG.I.R.Lでお会いした今日犬さんと再会したり、前日の大会に参加していた方が何名かいらっしゃっていたりと様々な縁がありまして、秋葉原サイファーの方々とは今でも交流が続いています。
 

チンポジム参加、G.I.R.Lふたたび(8月)

本来ならば、じゃんじゃんいろんなサイファーに顔出したりなどしたかったのですが、一言も発することなく1日を終えることも珍しくない私がいきなり声を張ってはしゃいだことがたたったのか、秋葉原サイファーに参加した翌日から喉が腫れて熱が出ました。
声がでないためしばらく自宅でもラップをしない日々が続いた結果、ラップしてぇなぁという気持ちがハチャメチャに高まり、ついに【チンポジム】の門戸を叩く事になりました。
チンポジムに関しては先ほどのKAI-YOUさんの記事に詳しくあるんですが、G.I.R.Lが生まれるきっかけともなった練習会で、名前からもほんのり分かるように「クソ下品」を標榜しております。
G.I.R.Lで知り合ったワッショイサンバさんが参加して楽しそうにしているのをtwitterごしに見ていましたし、全く知らないところに飛び込むよりは良いだろうということで参加したのですが、それまで脳にかかっていた無駄なリミッターが一気に外れて、とにかく尋常でなく楽しかったのが強く印象に残っています。
「この人たちと一緒にやっていけば絶対に楽しいことになる」と思ったので、それ以後はポジムの面々とワイワイさせていただく流れになりました。

そしてその翌週が第2回のG.I.R.Lでした。このときはテレビの取材も入っていてワッショイサンバさんが「寿司T」の名前で放送されるなどのインシデントもありました。バトルではゲストの萌黄さんと当たったりして楽しかったです。
なぜかこの時が1番強い気持ちを保ってバトルできていたような気がします。
 

Tinpot Maniax vol.2 参加(9月)

前述のチンポジムに関してもう少し詳しく説明しますと、元々「Tinpot Maniax」というこれもまたすごい名前なイベントがあり、イベントがないときでもラップやバトルをしようということで始まった練習会だそうです(違ってたらすいません…)。
そしてその「チンマニ」の2回目が9月に開催されました。
イベントの詳しい内容に関してはhontumaさんのブログが分かりやすいかと思いますが、DJにライブにバトルにと盛りだくさんで滅茶苦茶に楽しかったです
hontuma4262.hatenablog.com

チンマニのバトルではお題+パンチラインカウント制という特殊ルールを採用していて

☆チンマニMCバトル
お題制変則ルール「パンチ・ラインカウント制」を導入したMCバトル。先攻が提示された3つのお題の中から一つを選び、両者それに沿った話題(正直おもしろければあんまり沿ってなくてもいい…)でバトルする。審査員が「かっこいい」「おもしろい」「キモい」といった独断と偏見に基づいた基準で試合中のパンチ・ラインの数をカウントし、その合計数で勝敗を決める。事前エントリー不要。
Tinpot Maniax vol.2(9/24) - TwiPla

そのためパンチラインがバコバコ発生するのですが、バトルを見てて面白すぎて膝から崩れ落ちるという経験ができるのはあの場くらいなのではないかと思います。
私は1on1のバトルに参加して、1回戦ではコスモパワーさんと、2回戦では茶怒さんと当たって延長戦の末負けました。
茶怒さんがラップしたのはこの日が初めてだったみたいなんですが、めっちゃちゃんと韻踏んでるし(私は全く韻が踏めません)、しかもおもしろいし、ものすごい成長曲線で上達していくので途中から「これは…勝てねぇ…」と心のなかで白旗を上げていたのを覚えています。

ワッショイサンバ、無能、樫、マノイのポジムに参加している女性陣4人組で「ポガ(チンポガールズ)(?????)」と呼ばれたり名乗り始めたのもこの頃だったと記憶しています(もう少し早かったかも)。
あと、どんな雰囲気なのかなーと8月にちょろっと遊びに行っていたRAP酒場に9月も遊びに行きまして、初めてバトルにも参加しました。
これ以降RAP酒場のバトルには毎月参加しているのですが、なんかどんどん情けない感じになっているので、今年はもっとちゃんとかませるようになりたいですね…。
 

おもしろいラップやりたい期

10月はイベントを見に行くことが多くて、KOKやUMBの予選とかバトルも何回か見に行きました。
その結果「不要なディスとかせずなんかもっとこうおもしろいラップができるようになりたい」ということを漠然と思い色々模索し始めたのですが、かといって具体的なビジョンもスキルもないので特に何も言えることがなく完全にしょぼい感じになる、という状態がこの頃からずっと続いています。
いい加減どうにかしたいです。
 

Tinpot X-Max

12月16日にTinpot Maniaxクリスマス編である「Tinpot X-Max」が開催されました。
9月からサイファーやら曲作りを経て各人がさらにパワーアップしていて、笑いっぱなしで表情筋が死ぬくらい楽しかったです。
今回は従来のパンチラインカウントに加えてNGワードでの減点制が採用されたのですが、そのシステムを逆手に取った茶怒さんが1on1でも3on3でも優勝し、2連覇と2種目(?)制覇を成し遂げていました。私は一回戦でワッショイサンバさんに負けました。

なんというかもう楽しすぎて記憶が曖昧なのと、あまり内容について語っても野暮かと思うので、ゲストとして来てくださったカクニケンスケさんのツイートをご覧頂くのがわかりやすいかと思います。

 

マザレココンピ

前々から曲やりたい曲やりたいと大きい独り言を言い続けていたんですが、11月の頭くらいにDocManjuさんから「曲をやりましょう!」ということで声をかけていただきました。
ずっと前から音源でやりたいトピックはいくつかあって夏頃からメモ帳にダラダラ書いたりはしていたのですが、一向にまとまらずたまに書いては放置状態の繰り返し。
いよいよちゃんとまとめないかんぞ、ということで着手したのですが、トピックが自分の中で整理しきれていなくてまとまりがなくなってしまったり、ほっとくとすぐ内省的な言葉を使ってしまうのでオイコラという感じで直したり、そもそも言葉と小節の対応関係がわかっていないために小節が数えられず無限に混乱したりして、進捗4割前後から一向に進まないという状態が続いていました。
こういうふうに自分がグダグダしている内に、樫さんの”初期衝動”やワッショイサンバさんの”Meshi-agare”など、周りの人がおもしろい曲をどんどん作ってくので無駄に焦りが募っていたのを覚えています。


最終的に1ヶ月ほどかかりましたがなんとか書き上げ、12月の頭に初めてのレコーディングをしました。
歌詞にもラップにも無限に反省点があるのですが、やってみてわかったこともたくさんありましたし、めちゃくちゃ楽しかったです。

Jabvaraさんからはポガ4人でのリレー曲をいただきまして、おみくじを引いた結果をラップするという内容でやりました。
こっちはソロ曲よりちゃんと韻を踏もうと思って書いたんですが、結果的にただ四文字熟語が大好きな人みたいな歌詞になりました。この曲のレコーディングした日は割と喉が死んでいたんですが、怪我の功名で普段の自分の声とは違うニュアンスが出た気もしますし、ソロ曲に比べてラップもわずかばかりちゃんとできたような気がしますし、ダブルとかフロウでも遊べたので良かったです。

とはいえまだまだ反省点尽くめなので今年はもっとかっこよくて且つ遊びのあるラップができるようになりたいですね。
そしてここからが重要なのですが、上記の2曲は1月1日からフリーダウンロードが開始されたMAZAI RECORDSコンピに収録されています!
DocManjuプロデュースの『MAZACON1』では3曲目で”3+1”が、Jabvaraプロデュースの『Python Code』では7曲目にリレー曲の”random fortunes”を聞くことができます!
どちらのアルバムもビートがめちゃくちゃ格好いいですし、ありえないくらいバラエティに富んでておもしろいので聞いてもらえるとうれしいです。もう一回貼ります。
www.audiomack.com
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長くなりましたが、まさか1年で曲(しかもビートがめっちゃかっこいい!!)を録るところまで来れるとは思っていなかったので、本当に幸運でした。
この歳になっても新しいことを始めることができて、ちょっとずつ上達して、色んな人と知り合って、少しずつですが色々なことが変わったというのは我ながら驚きがあります。
2017年はもっとラップうまくなって、アウトプットを増やして、自分のスタイルみたいなものを見つけていきたいです。
あとライブもやりたいので、実現できるように頑張ります。

というわけで、2017年もよろしくお願いします!!!

今週末見たい映画 - 4月2週目

■4/8日公開

『ルーム』
www.youtube.com
レニー・アブラハムソン監督の前作『FRANK』も世界に触れることのみずみずしさと切なさが素晴らしく描かれていた傑作だったので非常に楽しみです。
映画『ルーム ROOM』 公式サイト TOP
 
 

■4/9日公開

『さざなみ』
www.youtube.com
結婚45周年のパーティーを控えた夫婦の元に夫の元恋人の遺体が発見されたという知らせが届き…というストーリー。映像の寒々しさに拍車をかけるシャーロット・ランプリングさんの美しさ素敵です。
映画『さざなみ』 公式サイト
 
『ボーダーライン』
www.youtube.com
他の映画では調子に乗った結果としてボコボコにされることの多いポール・ダノを、全く調子に乗っていないのにボコボコにしたという事実だけで信頼できる男、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。さらに出演がジョシュ・ブローリンとベネチオ・デル・トロで麻薬モノと来たら血なまぐさい匂いしかしなくて最高です。
映画『ボーダーライン』|4月9日公開
 
『モヒカン故郷に帰る』
www.youtube.com
映画『モヒカン故郷に帰る』公式サイト | 広島先行公開中、4/9(土)全国公開!
 
『COP CAR コップ・カー』
www.youtube.com
ガキンチョが盗んだパトカーがケヴィン・ベーコン演じる悪徳警官の車で…。という引きの時点で期待値100点満点です。
映画『COP CAR コップ・カー』オフィシャルサイト
 
『孤独のススメ』
www.youtube.com
映画「孤独のススメ」公式サイト
 
『青春100キロ』
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『青春100キロ』 - 上映 | UPLINK
 
 

FRANK フランク [DVD]

FRANK フランク [DVD]

今週末見たい映画 - 4月1週目

■4/1日公開

『あやしい彼女』
youtu.be
中国リメイクもされた韓国映画の日本版リメイク。多部未華子さんかわいいですね。
映画『あやしい彼女』公式サイト
 
『蜜のあわれ』
www.youtube.com
室生犀星幻想小説二階堂ふみ主演で石井岳龍監督が映画化。
映画『蜜のあわれ』公式サイト
 
『LOVE 3D』
www.youtube.com
ギャスパー・ノエ監督の新作。「愛は精液、体液、そして涙」というコピーを見るたびに「全部体液では」と思ってしまいます。
映画『LOVE【3D】』公式ウェブサイト
 
 

■4/2日公開

『ミラクル・ニール』
www.youtube.com
モンティ・パイソンテリー・ジョーンズ監督脚本。なんでも願いが叶う能力を宇宙人に授けられた主人公をサイモン・ペッグが、その力によって人語が喋れるようになった犬をロビン・ウィリアムズが演じます。
映画『ミラクル・ニール!』公式サイト
 
『下衆の愛』
www.youtube.com
グレイトフルデッド』の内田英治監督作品。渋川清彦演じるパラサイトニートのアラフォー映画監督が主人公で、共演にでんでん、津田寛治古舘寛治などなど。
映画『下衆の愛』 - LOWLIFE LOVE
 
 

グレイトフルデッド [DVD]

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エンター・ザ・ボイド ディレクターズカット完全版 [Blu-ray]

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今月見たい映画:2016年3月

■3/4日公開

『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
アダム・マッケイ監督の作品が日本の劇場で見られるという時点で最高ですね。同じくサブプライムローン問題を取り扱っている『ドリーム・ホーム』も非常におもしろかったですし、併せて見るとより良いんじゃないかと思います。
映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』公式サイト 3月4日(金)ウォール街を出し抜け!

 

■3/5日公開

セーラー服と機関銃 卒業』
予告編見て「アイドルのライブの幕間とかで流れてそうな色合いと被写界深度だなー」と思っていたんですが、これ脚本が『そこのみにて光輝く』『きみはいい子』の高田亮さんなんですね。橋本環奈さんは声がちょっとハスキーでドスの効いた言い回しとかも合いそうですし、楽しみです。
映画「セーラー服と機関銃 -卒業-」2016.3.5公開
 
『あやつり糸の世界』
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督の作品を劇場で見たことがないのでぜひこの機会に見に行きたいです。
「あやつり糸の世界」公式サイト
 
『アーサー・フォーゲル ショービズ界の帝王』
マドンナ、レディー・ガガデヴィッド・ボウイなどの大規模なツアーやステージを手掛けるアーサー・フォーゲルを主軸にした音楽ドキュメンタリーだそうで。もちろんショービズにも興味がありますし、生前のデヴィッド・ボウイが見られるなら非常に見たいです。
アーサー・フォーゲル~ショービズ界の帝王~
 
『ロブスター』
独身者は動物に変えられてしまうという近未来を舞台にした映画。コリン・ファースがぽっちゃりしててここまでパッとしないのなかなか珍しい気がします。予告編のテンポも最高ですし非常に楽しみですね。
映画『ロブスター』公式サイト
 
 

■ 3/11日公開

『インサイダーズ 内部者たち』
イ・ビョンホン主演のサスペンス・アクション。韓国映画に出てくる悪い権力者って愉快な感じで本当に悪いのでその点も非常に楽しみです。
映画『インサイダーズ/内部者たち』公式サイト
 
 

■3/12日公開

『家族はつらいよ』
お恥ずかしながら山田洋次監督の作品ってちゃんと見たことがなくて。久しぶりの喜劇とのことなので興味があります。
山田洋次監督作品『家族はつらいよ』公式サイト
 
エスコバル 楽園の掟』
ベニチオ・デル・トロが麻薬王というその時点で最高という他ありませんね。4月公開の『ボーダーライン』という麻薬カルテル対FBIの闘いを描いた映画にもベニチオ・デル・トロさんは出演していて、そちらも楽しみです。
映画『エスコバル/楽園の掟』3月12日(土)全国公開
 
『マジカル・ガール』
魔法少女に憧れる余命僅かな少女とその父親を中心に、様々な人の偶然の出会いによって生まれる思いがけぬ展開を描いたスペイン映画。スペイン語圏のブラックコメディはおもしろい作品が多いので非常に楽しみです。
映画『マジカル・ガール』公式サイト 
 
『人生は小説よりも奇なり』
長年連れ添った同性カップルがいざ結婚したら仕事はクビになってずっと住んでた家にも住めなくなるし、という波乱の新生活を描いた作品。行政の制度がいくら先進的でも宗教的な理由とかと整合性が取れないというのは難しい問題だなと思います。
映画『人生は小説よりも奇なり』公式サイト 
 
 

■ 3/18日公開

『リリーのすべて』
レミゼ』『英国王』とトム・フーパー監督の作品は個人的にはあまりグッとこなかったのですが、アリシア・ヴィカンダーさんが出演していますし、エディ・レッドメインさの繊細さも非常に魅力的ですよね。ヴィカンダーさんオスカー本当におめでとうございます。
映画『リリーのすべて』公式サイト 2016.3.18[FRI] ROADSHOW
 
『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』
イアン・マッケランが晩年のホームズを演じ、自らを引退に追い込んだ過去の事件を少年とともに再び挑むというあらすじに無数のフックが仕込まれていて素晴らしいなと思います。
映画『ディーパンの闘い』公式サイト
 
 

■3/19日公開

僕だけがいない街
原作読んでいないんですが、原作はすごく人気ですし気になっています。ただ、予告編から原作について以上の情報がほとんど得られないのが若干不安を煽りますね。
映画『僕だけがいない街』公式サイト
 
ちはやふる 上の句』
同じ週に漫画原作映画が同じくらいの規模で公開されるのって珍しい気がします。ちはやふるは試写で見た方の評判もすごく良いので非常に楽しみです。なにより予告編で使われているスローモーションであの広瀬すずさんのちょっとブサイクな顔がちゃんと使われているのが「おっ」ってなりますよね。
映画『ちはやふる』公式サイト
 
 

■3/25日公開

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』
ザック・スナイダー、こんどこそは頼む」という気持ち。
映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』オフィシャルサイト
 
『砂上の法廷』
この「n分間あなたは騙される」みたいなコピーって流行ってるんですかね。それはそれとして、法廷劇というのはあんな狭い空間でいろんな人の運命が交錯したり変わったりするので非常に魅力的ですよね。
映画『砂上の法廷』 公式サイト
 
暗殺教室 卒業編』
羽住英一郎監督は個人的には今一番興味深い映画監督ですし、暗殺教室の前編も殺せんせーのCGIとかすごく丁寧につくってあったんですよね。前編公開時に本紙連載の内容をぴったり合わせてたので、今回もそれがあるのかなーというのも気になっています。
映画『暗殺教室〜卒業編〜』公式サイト
 
 

■3/26日公開

仮面ライダー1号
本郷猛な藤岡弘、を劇場で見られるというのは非常に嬉しいのですが、いかんせんゴーストをわりと最初の頃に脱落してしまったため楽しめるのかという不安もあります。
『仮面ライダー1号』公式映画サイト 2016年3月26日(土)戦闘開始!
 
バンクシー・ダズ・ニューヨーク』
バンクシーを追いかける人々のドキュメンタリーというのが非常に面白いなと思いました。
映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』公式サイト
 
『光りの墓』
アピチャッポンの映画は映画館じゃないとなかなか見るのが難しそうなので、ぜひとも見たいです。
映画『2016 アピチャッポン イヤー INDEX』
 
『リップヴァンウィンクルの花嫁』
岩井俊二監督作品についに黒木華さんが主演かーという感じですね。あいかわらず拾ってくるモチーフが興味深いので凄いなと思います。
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』公式サイト

今月見たい映画 2016年2月

■2/2日公開

『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』(原題:Wyrmwood)


『ブレイキング・ゴッド』(原題:The Mule

 
 

■2/5日公開

『オデッセイ』(原題:The Martian)
映画『オデッセイ』オフィシャルサイト
 
 

■ 2/11日公開

『キャロル』(原題:Carol)
映画『キャロル』公式サイト
 
 

■2/12日公開

スティーブ・ジョブズ』(原題:Steve Jobs
映画『スティーブ・ジョブズ』公式サイト 2.12 FRI
 
『ディーパンの闘い』(原題:Dheepan)
映画『ディーパンの闘い』公式サイト
 
 

■ 2/16日公開

『コインロッカーの女』
「未体験ゾーンの映画たち」上映作品。
 
 

■2/19日公開

『SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁』(原題:Sherlock: The Abominable Bride)
【公式】『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』2016.2.19[金] 全国ロードショー
 
 

■2/20日公開

『X-ミッション』(原題:Point Break)
CGなしのエクストリームアクションを売りにしているみたいなんですが、『ハートブルー』のリメイクなんですね。
映画『X-ミッション』公式サイト 2016年2月20日(土) 新宿ピカデリー、丸ノ内ピカデリー他 全国ロードショー<2D/3D上映>
 
『血まみれスケバンチェーンソー』
=VAP= 『血まみれ スケバン チェーンソー』
 
『ディスクローザー』(原題:Felony)
「未体験ゾーンの映画たち」上映作品。ジョエル・エドガートン主演。
 
『もしも建物が話せたら』(原題:Cathedrals of Culture)
映画『もしも建物が話せたら』公式サイト
 
『モンスター・ホテル2』(原題:Hotel Transylvania 2)
映画『モンスター・ホテル2』公式サイト | ソニー・ピクチャーズ
 
 

■2/27日公開

『ザ・ブリザード』(原題:The Finest Hours)
ケイシー・アフレックがIMAX 3Dで見られるという時点で最高です。ありがとうございます。
ザ・ブリザード|映画|ディズニー|Disney.jp |
 
『女が眠る時』
映画『女が眠る時』公式サイト - 2016.2.27
 
『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』(原題:The Night Before)
セス・ローゲン!ジョセフ・ゴードン=レヴィット!アンソニー・マッキー
映画『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』公式サイト | ソニー・ピクチャーズ
 
特捜部Q キジ殺し』(原題:Fasandaeberne)
「未体験ゾーンの映画たち」上映作品。
映画 『特捜部Q キジ殺し』公式サイト
 
『ヘイトフル・エイト』(原題:The Hateful Eight)
映画『ヘイトフルエイト』 公式サイト│『ヘイトフル・エイト』クエンティン・タランティーノ長編第8作 本年度アカデミー賞3部門ノミネート

2015年に見た映画について

今年は映画館では新作旧作含めて203回(2回とか7回とか見てる映画もあるので作品数だともっとすくない)、家で見たのは鑑賞の態度としてちゃんと見れていない感覚があったのできちんと記録つけてませんが多分30〜40本くらいだと思います。
TOHOシネマズフリーパスのおかげもあって映画館で見た回数は多分今までで1番多いんですが、今年は本当におもしろい映画が多かったなーという印象があります。特に実写の日本映画が見る作品見る作品おもしろくて、来年からはもっとたくさん見ていきたいなとおもいました。

そんなこんなで今年見た映画の個人的ベスト10

1.ハッピーボイス・キラー


ハッピーボイス・キラー [Blu-ray]

監督:マルジャン・サトラピ
脚本:マイケル・R・ペリー
出演:ライアン・レイノルズジェマ・アータートンアナ・ケンドリック

セリフだったり挙動だったりで主人公と社会の間のズレを少しずつ明らかにしていく、その手際がすごくうまい。
1番印象的だったのは、そのズレが画面の演出として最大化される場面の、「この要素をこんな風にトリック的な使い方して良いんだ!」という驚きと、そこで改めて突きつけられる主人公の境遇のしんどさ。
あとこの映画はエンドロールがすごく素晴らしくて、表面的には明るくハッピーな雰囲気なんだけれども、ここに凝縮されている主人公の願いはかなわなかったし、なによりその願った世界の狭さが悲しくて、エンドロールでこんなに泣くかというくらい泣いた。


2.ヴィジット


ヴィジット【DVD化お知らせメール】 [Blu-ray]

監督、脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:キャスリン・ハーン、ディアナ・デュナガン、ピーター・マクロビー、エド・オクセンボールド、オリビア・デヨング

以前にこのブログでも感想書いたけど、やはり何度見てもあたらしい発見があるし、みずみずしさにあふれた画面、周到に用意される笑いと恐怖、作品全体に貫かれる物語や映画に対するシャマランの信念はサイコーと言うほかない。
「罵る言葉の代わりに女性歌手の名前を言う」は今年の最も偉大な発明だと思う。
エンドロール始まってStandtallの曲が流れる瞬間がすごく好き。


3. ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション


ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション ブルーレイ+DVDセット(2枚組) [Blu-ray]

監督、脚本:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズレベッカファーガソン、ジェレミー・レナー、サイモン・ペグ、アレック・ボールドウィン

トム・クルーズの登場シーンはそのタイミングと出方とともに100点満点で、何度見ても拍手喝采を送りたくなる。
重みを感じるアクション、おなじみの仲間とのチームプレイ、クリストファー・マッカリーにしかできないであろうトム・クルーズジョーク、光と影のコントラストのきいた美しい画面など素晴らしい要素はたくさんあるけれど、なによりイルサ・ファウストというキャラクターの素晴らしさがすごい。
今回限りになってしまうのはもったいないと思っていたら続編にも出るかもとのことなので非常に楽しみ。


4.マジック・マイクXXL


マジック・マイク XXL ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

監督:グレゴリー・ジェイコブズ
脚本:リード・カロリン
出演:チャニング・テイタムマット・ボマー、ジョー・マンガニエロ、ケヴィン・ナッシュ、アダム・ロドリゲス

相手も自分ももう若いとは言えない年齢だし、社会的に上手くいっているとはいえない状況で余計なことを言って傷ついたり傷つけたりしたくない。そんな関係性の中で交わされる思いやりにあふれた表面的で冗談めかしたやり取りがなんとも言えない気持ちにさせる。
だからこそ、ふとした瞬間に発せられる一言がさりげなくても大きな意味をもつし、パフォーマンスシーンで爆発する感情が心からの開放感をもたらすのだなと思う。
今見ても思わず涙してしまったりしまうのだけれど、この先10年、20年経ったときにまた見え方が変わってくるんだろうと思わせる作品。

5.ブルー・リベンジ


ブルー・リベンジ [Blu-ray]

監督、脚本:ジェレミー・ソルニエ
出演:メイコン・ブレア、デヴィン・ラトレイ

小太りで内気な主人公が起こす復讐が本当に陰鬱でタイトル通りブルーな気持ちになる。
ふつう復讐譚ではその重苦しさを回避するためにアクションの華麗さなどがあるけれど、そういうのも一切なし。主人公が復讐に至ったその大本の事件の真相が明らかになるほどに、そのどうしようもなさにどんどんつらくなる。
ただ素人ならではの下手こいたりなどの緊迫感もきちんとあるし、画面もすごく美しくて、ただの暗い映画にしない、そのバランスがすばらしい。


6.ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲


WHITE GOD

監督、脚本:コルネル・ムンドルッツォ
出演:ジョーフィア・プショッタ、シャーンドル・ジョーテール、ラースロー・ガールフィ、ルーク&ボディ

https://www.instagram.com/p/-qoNg3JBRL/
大体の感想は上のURLに書いてあるけれど、寄る辺のない思春期の少女と愛犬というモチーフの強靭さと、人影の見えないブタペストのまちを疾走する犬たちの姿の強烈さ。
「雑種」が排除されない世の中になることを祈るしかない。


7.Ex Machina


Ex_Machina [Blu-ray]

監督、脚本:アレックス・ガーランド
出演:ドーナル・グリーソン、オスカー・アイザックアリシア・ヴィキャンデル

AIと人間の境界線とか、アンドロイドのセクシャリティとはとか、興味深い問題提起をたくさんしている作品だとおもうのですが、個人的にはドーナル・グリーソンとオスカー・アイザックの身体性の対比がおもしろかった。
ボクササイズとかしちゃって身体的にドライブできるオスカー・アイザックさんと、ヒョロッヒョロでいかにもギークなドーナル・グリーソンさんのその身体性がことあるごとに対比されていて、作中出てくるアンドロイドの造形とも結びついてるんですよね。
そして、その違いがことさらに強調されるダンスシーンがあるのですが、そのシーンのヤダみというか居心地の悪さが素晴らしかった。
ドーナル・グリーソンさんもオスカー・アイザックさんも『フォースの覚醒』のメインキャストだし、アリシア・ヴィキャンデルさんはこの作品をきっかけに大ブレイクしているのに、日本公開されていないのが本当にもったいない。


8.コードネーム U.N.C.L.E.


「コードネームU.N.C.L.E.」 オリジナル・サウンドトラック

監督:ガイ・リッチー
脚本:ライオネル・ウィグラム、ガイ・リッチー
出演:ヘンリー・カヴィルアーミー・ハマーアリシア・ヴィキャンデル、エリザベス・デビッキ

https://www.instagram.com/p/-sFLCmpBQA/
詳しい感想は上のURLに書いてあるのですが、今年たくさん公開されたスパイ映画の中でのある種の究極系というか、ここまでの様式美が徹底された作品はなかなかない。本当に続編の予定がないのがもったいないというか、もったいない。


9.百円の恋


百円の恋

監督:武正晴
脚本:足立紳
出演:安藤サクラ新井浩文

ニートで今まで特に何もしてこなかった主人公が試合後のボクサーを見て「お互いの肩をポンポンしているのが良い」と思ってボクシングを始めるのがすごくいいと思う。
安藤サクラさんなしでは成立しなかった映画だとおもうけれど、安藤サクラさんがどんどん引き締まってボクサーになっていく過程の凄みは本当にすごかった。


10.ナイトクローラー


ナイトクローラー [Blu-ray]

監督、脚本:ダン・ギルロイ
出演:ジェイク・ギレンホールレネ・ルッソ、リズ・アーメッド

日本公開が待ちきれず海外版Blu-rayを買ってしまうほどだったのですが、日本公開のときに改めて見て、こんなに自己啓発本のコピペみたいなセリフばかり話していたのか!と驚かされました。
ガリッガリに痩せたジェイク・ギレンホールの全てを見ているようで何を見ているのかわからない瞳の異様さは一度見たら忘れられないですね。
助演のリズ・アーメッドさんはスターウォーズ・ローグワンにも出演予定らしいので非常に楽しみです。



その他にも、おもしろかった映画についてざざっと

『ネイバーズ』
夢のマイホームの隣に社交クラブがやってきたコメディ。セス・ローゲン夫婦が大学生に対して悪ぶって優位に立とうとするくだりが好き。

『フォックスキャッチャー』
アメリカの理想を体現しようとすると気が狂うしかないのだろうか。
チャニング・テイタムのしょぼくれゴリラっぷりがマジック・マイクと同一人物とは思えないすばらしさ。

テラスハウス・クロージング・ドア』
ゴーン・ガールやバードマンに続くSNS映画。

『インド・オブ・ザ・デッド』
テロップの皮肉がすごい。ロシア訛りの英語を話すインド人がでてきます。

『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』
マッドな世界をこれ以上無く精緻に描いた傑作。何度でも見たい。
人喰い男爵のカフスボタンが乳首モチーフなのとかそういう細かな気配りがすごい。

『はじまりのうた』
二股イヤホンアダプタの使い方オブザイヤーですね。

『フレンチアルプスで起きたこと』
今年のベスト男泣き映画です。洗面所の使い方がいい。

『懲罰大陸★USA』
絶対に行きたくない理不尽パーク。

アントマン
ベスト3D効果&おじさんたちかわいい映画。

『ローリング』
普通のひとのしょうもなさ見本市。ロケーションと劇伴もとてもいい。


来年も、年明けからいきなり「未体験ゾーンの映画たち」が始まりますし、今年以上におもしろい映画をたくさん見ていきたいと思います。
あと「週間ランキングで1位をとった映画を全部見る」と言いつつ途中からちゃんとできなかったので、2016年こそは達成したいです。

シャマラン最新作『ヴィジット』は恐怖と笑いと茶目っ気と、サービス精神もりもりのサイコーの映画である

さて、ついに明日、M・ナイト・シャマラン監督の最新作『ヴィジット』が日本での公開を迎えます。

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シャマラン監督が製作費の500万ドルを自腹で払い、ホラー映画のプロデューサーとしては現在ハリウッド1の売れっ子であろうジェイソン・ブラムを製作に迎えた本作は、『ハプニング』以来のフィラデルフィアを舞台にしたスリラー作品であることや、全体がミステリーじかけであることから「原点回帰の作品」とうたわれています。
また9月に全米公開された際には、オープニングの興行収入で2500万ドルを稼ぎ、更にはレビューの反応も上々だったことから「シャマラン復活ののろし」などとも言われていました。
ですが、正直この作品「のろし」どころの騒ぎではありません。
随所でシャマランらしさを発揮しつつ、きちんと新しいチャレンジをしつつ、茶目っ気とサービス精神がふんだんに盛り込まれたサイコーの映画となっております。
というわけでそんな映画を1人でも多くの人に見ていただきたいので、個人的なおすすめポイントをまとめました。


映画『ヴィジット』予告編 - YouTube

あらすじ
母親が15年前に絶縁したという祖父母に招かれ、メイソンビルという田舎町にある家を訪れたベッカとタイラーの姉弟。暖かく迎えられ交流を楽しんでいた2人だったが、おじいちゃんとおばあちゃんがときおり見せる奇妙な言動に姉弟の不安は高まっていく。

 

1.恐怖の対象のフレッシュさ

『ヴィジット』では、おじいちゃんおばあちゃんという「肉親」が恐怖の対象として描かれるわけですが、この点に関してシャマランは、

年配の家族に恐怖を持ってしまうというのは、誰にでも思い当たるものかもしれない。それは恐らく、老いることへの恐怖からきていると思う
M・ナイト・シャマラン監督、“どんでん返し”を期待される心境を告白 | ニュースウォーカー

と語っています。
たしかに老人ってその存在だけでちょっと怖いなと思う時があるんですよね。特に子供にとっての老人というのは、自分と同じ人間のはずなのになんでこんなに違うんだろうだとか、奇妙で不穏な存在なんだと思います。生まれてこのかた10年以上会っていなかった老人を自分の血縁者だと言われたら、その違和感は更に強まるかもしれません。
そのような感覚がホラー的に撮られているというのが今回とてもフレッシュでした。
シャマランは今までにも「自分の身体」や「植物」といった、身近だと思っていたものが変質した時の恐怖をたびたび描いてきましたが、そういった普遍的で潜在的に恐ろしいモチーフを選んでくるのが本当にうまいなと思います。

2.底意地の悪い笑いが存分に楽しめる

『サイン』の頭にアルミホイルだったり、『ハプニング』で造花に優しく語りかけるマーク・ウォルバーグであったりと、ある状況下で追い詰められた人間が取る行動の滑稽さを描くときのシャマラン監督はの手つきは、異常に周到で、巧みです。もっと他の部分も頑張るべきなのではないかというくらいきちんと伏線を張ります。
私はそんなシャマランの底意地の悪い笑いが大好きなのですが、『ヴィジット』ではそれが存分に味わえます。
不穏さや恐ろしさを全力で張り詰めた後のまさかの行動や出来事、という笑いの基本である「緊張と緩和」に忠実な展開に、怖がったり笑ったり、あるいは笑いながら怖がったりと、振りまわっされっぱなしです。
また、シャマランといえばストーリー展開の粗というか、伏線等をふっ飛ばした構成が批判されがちですが、今回ジャンルを「ホラーコメディ」と定めて笑いの状況を組み立てることに注力したことで、その丁寧さが映画全編に行き渡り、ストーリーテリングにもいい効果を与えているように思います。

3.純粋な画面の楽しさ

最初に『ヴィジット』を見たときは字幕も何もない状態で見てしまったんですが、すごく画面が楽しくて、それだけですごく満足感があったのが印象に残っています。
それは、POVという形式を選んだことで炸裂したシャマラン特有のトリッキーな構図と、これもまたシャマランの持ち味であるルックの上品さが、劇映画だけでなくドキュメンタリー作品の撮影を多く経験してきたマリス・アルペルチの撮影のもとでバランス良く融合しているからだろうとそのときは思いました。
ですが、クローズドキャプション付きで2回目を見たとき、下のリンク先の動画でシャマランが語っているように

『ヴィジット 』特別映像 - スペシャル映像 - Yahoo!映画

姉弟のそれぞれの視点を通して「映画そのものに対してシャマランが託しているもの」と「撮るという行為の純粋な喜び」が表現されているということがわかったんですよね。
見ないほうが、撮らないほうが良いものを、見ずには、撮らずにはいられないという好奇心が映画全体できらめいていますし、ベッカが映画の中盤で取るある行動には「シャマランはあの信念を映画で表現することを諦めてはいなかったのだ!」ということが分かります。
最近の作品では表現されていなかったシャマランの映画に対する祈りが、映画の体裁を壊すこと無く映画に組み込まれているというのは、それこそ最高と言うほかありません。


というように、様々な要素が有機的に作用し合った結果『ヴィジット』は素晴らしい映画になっています。シャマラン好きにはもちろん、そうでない方にもおすすめできる一本なのではないでしょうか。
以上であげた部分の他にも、キャスト、特に子役の演技が素晴らしいとか、まさかシャマラン映画で「◯◯◯」が見られるとはというようなものがいくつも出てきたりだとか、非常に見どころの多い楽しい映画となっています。
残念ながら日本での公開館数はそこまで多くありませんが、ぜひ劇場で見ていただきたい映画です。
ぜひ!劇場で見ていただきたい映画です!!!!!!