今週末見たい映画 - 4月1週目

■4/1日公開

『あやしい彼女』
youtu.be
中国リメイクもされた韓国映画の日本版リメイク。多部未華子さんかわいいですね。
映画『あやしい彼女』公式サイト
 
『蜜のあわれ』
www.youtube.com
室生犀星幻想小説二階堂ふみ主演で石井岳龍監督が映画化。
映画『蜜のあわれ』公式サイト
 
『LOVE 3D』
www.youtube.com
ギャスパー・ノエ監督の新作。「愛は精液、体液、そして涙」というコピーを見るたびに「全部体液では」と思ってしまいます。
映画『LOVE【3D】』公式ウェブサイト
 
 

■4/2日公開

『ミラクル・ニール』
www.youtube.com
モンティ・パイソンテリー・ジョーンズ監督脚本。なんでも願いが叶う能力を宇宙人に授けられた主人公をサイモン・ペッグが、その力によって人語が喋れるようになった犬をロビン・ウィリアムズが演じます。
映画『ミラクル・ニール!』公式サイト
 
『下衆の愛』
www.youtube.com
グレイトフルデッド』の内田英治監督作品。渋川清彦演じるパラサイトニートのアラフォー映画監督が主人公で、共演にでんでん、津田寛治古舘寛治などなど。
映画『下衆の愛』 - LOWLIFE LOVE
 
 

グレイトフルデッド [DVD]

グレイトフルデッド [DVD]

エンター・ザ・ボイド ディレクターズカット完全版 [Blu-ray]

エンター・ザ・ボイド ディレクターズカット完全版 [Blu-ray]

今月見たい映画:2016年3月

■3/4日公開

『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
アダム・マッケイ監督の作品が日本の劇場で見られるという時点で最高ですね。同じくサブプライムローン問題を取り扱っている『ドリーム・ホーム』も非常におもしろかったですし、併せて見るとより良いんじゃないかと思います。
映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』公式サイト 3月4日(金)ウォール街を出し抜け!

 

■3/5日公開

セーラー服と機関銃 卒業』
予告編見て「アイドルのライブの幕間とかで流れてそうな色合いと被写界深度だなー」と思っていたんですが、これ脚本が『そこのみにて光輝く』『きみはいい子』の高田亮さんなんですね。橋本環奈さんは声がちょっとハスキーでドスの効いた言い回しとかも合いそうですし、楽しみです。
映画「セーラー服と機関銃 -卒業-」2016.3.5公開
 
『あやつり糸の世界』
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督の作品を劇場で見たことがないのでぜひこの機会に見に行きたいです。
「あやつり糸の世界」公式サイト
 
『アーサー・フォーゲル ショービズ界の帝王』
マドンナ、レディー・ガガデヴィッド・ボウイなどの大規模なツアーやステージを手掛けるアーサー・フォーゲルを主軸にした音楽ドキュメンタリーだそうで。もちろんショービズにも興味がありますし、生前のデヴィッド・ボウイが見られるなら非常に見たいです。
アーサー・フォーゲル~ショービズ界の帝王~
 
『ロブスター』
独身者は動物に変えられてしまうという近未来を舞台にした映画。コリン・ファースがぽっちゃりしててここまでパッとしないのなかなか珍しい気がします。予告編のテンポも最高ですし非常に楽しみですね。
映画『ロブスター』公式サイト
 
 

■ 3/11日公開

『インサイダーズ 内部者たち』
イ・ビョンホン主演のサスペンス・アクション。韓国映画に出てくる悪い権力者って愉快な感じで本当に悪いのでその点も非常に楽しみです。
映画『インサイダーズ/内部者たち』公式サイト
 
 

■3/12日公開

『家族はつらいよ』
お恥ずかしながら山田洋次監督の作品ってちゃんと見たことがなくて。久しぶりの喜劇とのことなので興味があります。
山田洋次監督作品『家族はつらいよ』公式サイト
 
エスコバル 楽園の掟』
ベニチオ・デル・トロが麻薬王というその時点で最高という他ありませんね。4月公開の『ボーダーライン』という麻薬カルテル対FBIの闘いを描いた映画にもベニチオ・デル・トロさんは出演していて、そちらも楽しみです。
映画『エスコバル/楽園の掟』3月12日(土)全国公開
 
『マジカル・ガール』
魔法少女に憧れる余命僅かな少女とその父親を中心に、様々な人の偶然の出会いによって生まれる思いがけぬ展開を描いたスペイン映画。スペイン語圏のブラックコメディはおもしろい作品が多いので非常に楽しみです。
映画『マジカル・ガール』公式サイト 
 
『人生は小説よりも奇なり』
長年連れ添った同性カップルがいざ結婚したら仕事はクビになってずっと住んでた家にも住めなくなるし、という波乱の新生活を描いた作品。行政の制度がいくら先進的でも宗教的な理由とかと整合性が取れないというのは難しい問題だなと思います。
映画『人生は小説よりも奇なり』公式サイト 
 
 

■ 3/18日公開

『リリーのすべて』
レミゼ』『英国王』とトム・フーパー監督の作品は個人的にはあまりグッとこなかったのですが、アリシア・ヴィカンダーさんが出演していますし、エディ・レッドメインさの繊細さも非常に魅力的ですよね。ヴィカンダーさんオスカー本当におめでとうございます。
映画『リリーのすべて』公式サイト 2016.3.18[FRI] ROADSHOW
 
『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』
イアン・マッケランが晩年のホームズを演じ、自らを引退に追い込んだ過去の事件を少年とともに再び挑むというあらすじに無数のフックが仕込まれていて素晴らしいなと思います。
映画『ディーパンの闘い』公式サイト
 
 

■3/19日公開

僕だけがいない街
原作読んでいないんですが、原作はすごく人気ですし気になっています。ただ、予告編から原作について以上の情報がほとんど得られないのが若干不安を煽りますね。
映画『僕だけがいない街』公式サイト
 
ちはやふる 上の句』
同じ週に漫画原作映画が同じくらいの規模で公開されるのって珍しい気がします。ちはやふるは試写で見た方の評判もすごく良いので非常に楽しみです。なにより予告編で使われているスローモーションであの広瀬すずさんのちょっとブサイクな顔がちゃんと使われているのが「おっ」ってなりますよね。
映画『ちはやふる』公式サイト
 
 

■3/25日公開

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』
ザック・スナイダー、こんどこそは頼む」という気持ち。
映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』オフィシャルサイト
 
『砂上の法廷』
この「n分間あなたは騙される」みたいなコピーって流行ってるんですかね。それはそれとして、法廷劇というのはあんな狭い空間でいろんな人の運命が交錯したり変わったりするので非常に魅力的ですよね。
映画『砂上の法廷』 公式サイト
 
暗殺教室 卒業編』
羽住英一郎監督は個人的には今一番興味深い映画監督ですし、暗殺教室の前編も殺せんせーのCGIとかすごく丁寧につくってあったんですよね。前編公開時に本紙連載の内容をぴったり合わせてたので、今回もそれがあるのかなーというのも気になっています。
映画『暗殺教室〜卒業編〜』公式サイト
 
 

■3/26日公開

仮面ライダー1号
本郷猛な藤岡弘、を劇場で見られるというのは非常に嬉しいのですが、いかんせんゴーストをわりと最初の頃に脱落してしまったため楽しめるのかという不安もあります。
『仮面ライダー1号』公式映画サイト 2016年3月26日(土)戦闘開始!
 
バンクシー・ダズ・ニューヨーク』
バンクシーを追いかける人々のドキュメンタリーというのが非常に面白いなと思いました。
映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』公式サイト
 
『光りの墓』
アピチャッポンの映画は映画館じゃないとなかなか見るのが難しそうなので、ぜひとも見たいです。
映画『2016 アピチャッポン イヤー INDEX』
 
『リップヴァンウィンクルの花嫁』
岩井俊二監督作品についに黒木華さんが主演かーという感じですね。あいかわらず拾ってくるモチーフが興味深いので凄いなと思います。
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』公式サイト

今月見たい映画 2016年2月

■2/2日公開

『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』(原題:Wyrmwood)


『ブレイキング・ゴッド』(原題:The Mule

 
 

■2/5日公開

『オデッセイ』(原題:The Martian)
映画『オデッセイ』オフィシャルサイト
 
 

■ 2/11日公開

『キャロル』(原題:Carol)
映画『キャロル』公式サイト
 
 

■2/12日公開

スティーブ・ジョブズ』(原題:Steve Jobs
映画『スティーブ・ジョブズ』公式サイト 2.12 FRI
 
『ディーパンの闘い』(原題:Dheepan)
映画『ディーパンの闘い』公式サイト
 
 

■ 2/16日公開

『コインロッカーの女』
「未体験ゾーンの映画たち」上映作品。
 
 

■2/19日公開

『SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁』(原題:Sherlock: The Abominable Bride)
【公式】『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』2016.2.19[金] 全国ロードショー
 
 

■2/20日公開

『X-ミッション』(原題:Point Break)
CGなしのエクストリームアクションを売りにしているみたいなんですが、『ハートブルー』のリメイクなんですね。
映画『X-ミッション』公式サイト 2016年2月20日(土) 新宿ピカデリー、丸ノ内ピカデリー他 全国ロードショー<2D/3D上映>
 
『血まみれスケバンチェーンソー』
=VAP= 『血まみれ スケバン チェーンソー』
 
『ディスクローザー』(原題:Felony)
「未体験ゾーンの映画たち」上映作品。ジョエル・エドガートン主演。
 
『もしも建物が話せたら』(原題:Cathedrals of Culture)
映画『もしも建物が話せたら』公式サイト
 
『モンスター・ホテル2』(原題:Hotel Transylvania 2)
映画『モンスター・ホテル2』公式サイト | ソニー・ピクチャーズ
 
 

■2/27日公開

『ザ・ブリザード』(原題:The Finest Hours)
ケイシー・アフレックがIMAX 3Dで見られるという時点で最高です。ありがとうございます。
ザ・ブリザード|映画|ディズニー|Disney.jp |
 
『女が眠る時』
映画『女が眠る時』公式サイト - 2016.2.27
 
『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』(原題:The Night Before)
セス・ローゲン!ジョセフ・ゴードン=レヴィット!アンソニー・マッキー
映画『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』公式サイト | ソニー・ピクチャーズ
 
特捜部Q キジ殺し』(原題:Fasandaeberne)
「未体験ゾーンの映画たち」上映作品。
映画 『特捜部Q キジ殺し』公式サイト
 
『ヘイトフル・エイト』(原題:The Hateful Eight)
映画『ヘイトフルエイト』 公式サイト│『ヘイトフル・エイト』クエンティン・タランティーノ長編第8作 本年度アカデミー賞3部門ノミネート

2015年に見た映画について

今年は映画館では新作旧作含めて203回(2回とか7回とか見てる映画もあるので作品数だともっとすくない)、家で見たのは鑑賞の態度としてちゃんと見れていない感覚があったのできちんと記録つけてませんが多分30〜40本くらいだと思います。
TOHOシネマズフリーパスのおかげもあって映画館で見た回数は多分今までで1番多いんですが、今年は本当におもしろい映画が多かったなーという印象があります。特に実写の日本映画が見る作品見る作品おもしろくて、来年からはもっとたくさん見ていきたいなとおもいました。

そんなこんなで今年見た映画の個人的ベスト10

1.ハッピーボイス・キラー


ハッピーボイス・キラー [Blu-ray]

監督:マルジャン・サトラピ
脚本:マイケル・R・ペリー
出演:ライアン・レイノルズジェマ・アータートンアナ・ケンドリック

セリフだったり挙動だったりで主人公と社会の間のズレを少しずつ明らかにしていく、その手際がすごくうまい。
1番印象的だったのは、そのズレが画面の演出として最大化される場面の、「この要素をこんな風にトリック的な使い方して良いんだ!」という驚きと、そこで改めて突きつけられる主人公の境遇のしんどさ。
あとこの映画はエンドロールがすごく素晴らしくて、表面的には明るくハッピーな雰囲気なんだけれども、ここに凝縮されている主人公の願いはかなわなかったし、なによりその願った世界の狭さが悲しくて、エンドロールでこんなに泣くかというくらい泣いた。


2.ヴィジット


ヴィジット【DVD化お知らせメール】 [Blu-ray]

監督、脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:キャスリン・ハーン、ディアナ・デュナガン、ピーター・マクロビー、エド・オクセンボールド、オリビア・デヨング

以前にこのブログでも感想書いたけど、やはり何度見てもあたらしい発見があるし、みずみずしさにあふれた画面、周到に用意される笑いと恐怖、作品全体に貫かれる物語や映画に対するシャマランの信念はサイコーと言うほかない。
「罵る言葉の代わりに女性歌手の名前を言う」は今年の最も偉大な発明だと思う。
エンドロール始まってStandtallの曲が流れる瞬間がすごく好き。


3. ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション


ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション ブルーレイ+DVDセット(2枚組) [Blu-ray]

監督、脚本:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズレベッカファーガソン、ジェレミー・レナー、サイモン・ペグ、アレック・ボールドウィン

トム・クルーズの登場シーンはそのタイミングと出方とともに100点満点で、何度見ても拍手喝采を送りたくなる。
重みを感じるアクション、おなじみの仲間とのチームプレイ、クリストファー・マッカリーにしかできないであろうトム・クルーズジョーク、光と影のコントラストのきいた美しい画面など素晴らしい要素はたくさんあるけれど、なによりイルサ・ファウストというキャラクターの素晴らしさがすごい。
今回限りになってしまうのはもったいないと思っていたら続編にも出るかもとのことなので非常に楽しみ。


4.マジック・マイクXXL


マジック・マイク XXL ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

監督:グレゴリー・ジェイコブズ
脚本:リード・カロリン
出演:チャニング・テイタムマット・ボマー、ジョー・マンガニエロ、ケヴィン・ナッシュ、アダム・ロドリゲス

相手も自分ももう若いとは言えない年齢だし、社会的に上手くいっているとはいえない状況で余計なことを言って傷ついたり傷つけたりしたくない。そんな関係性の中で交わされる思いやりにあふれた表面的で冗談めかしたやり取りがなんとも言えない気持ちにさせる。
だからこそ、ふとした瞬間に発せられる一言がさりげなくても大きな意味をもつし、パフォーマンスシーンで爆発する感情が心からの開放感をもたらすのだなと思う。
今見ても思わず涙してしまったりしまうのだけれど、この先10年、20年経ったときにまた見え方が変わってくるんだろうと思わせる作品。

5.ブルー・リベンジ


ブルー・リベンジ [Blu-ray]

監督、脚本:ジェレミー・ソルニエ
出演:メイコン・ブレア、デヴィン・ラトレイ

小太りで内気な主人公が起こす復讐が本当に陰鬱でタイトル通りブルーな気持ちになる。
ふつう復讐譚ではその重苦しさを回避するためにアクションの華麗さなどがあるけれど、そういうのも一切なし。主人公が復讐に至ったその大本の事件の真相が明らかになるほどに、そのどうしようもなさにどんどんつらくなる。
ただ素人ならではの下手こいたりなどの緊迫感もきちんとあるし、画面もすごく美しくて、ただの暗い映画にしない、そのバランスがすばらしい。


6.ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲


WHITE GOD

監督、脚本:コルネル・ムンドルッツォ
出演:ジョーフィア・プショッタ、シャーンドル・ジョーテール、ラースロー・ガールフィ、ルーク&ボディ

https://www.instagram.com/p/-qoNg3JBRL/
大体の感想は上のURLに書いてあるけれど、寄る辺のない思春期の少女と愛犬というモチーフの強靭さと、人影の見えないブタペストのまちを疾走する犬たちの姿の強烈さ。
「雑種」が排除されない世の中になることを祈るしかない。


7.Ex Machina


Ex_Machina [Blu-ray]

監督、脚本:アレックス・ガーランド
出演:ドーナル・グリーソン、オスカー・アイザックアリシア・ヴィキャンデル

AIと人間の境界線とか、アンドロイドのセクシャリティとはとか、興味深い問題提起をたくさんしている作品だとおもうのですが、個人的にはドーナル・グリーソンとオスカー・アイザックの身体性の対比がおもしろかった。
ボクササイズとかしちゃって身体的にドライブできるオスカー・アイザックさんと、ヒョロッヒョロでいかにもギークなドーナル・グリーソンさんのその身体性がことあるごとに対比されていて、作中出てくるアンドロイドの造形とも結びついてるんですよね。
そして、その違いがことさらに強調されるダンスシーンがあるのですが、そのシーンのヤダみというか居心地の悪さが素晴らしかった。
ドーナル・グリーソンさんもオスカー・アイザックさんも『フォースの覚醒』のメインキャストだし、アリシア・ヴィキャンデルさんはこの作品をきっかけに大ブレイクしているのに、日本公開されていないのが本当にもったいない。


8.コードネーム U.N.C.L.E.


「コードネームU.N.C.L.E.」 オリジナル・サウンドトラック

監督:ガイ・リッチー
脚本:ライオネル・ウィグラム、ガイ・リッチー
出演:ヘンリー・カヴィルアーミー・ハマーアリシア・ヴィキャンデル、エリザベス・デビッキ

https://www.instagram.com/p/-sFLCmpBQA/
詳しい感想は上のURLに書いてあるのですが、今年たくさん公開されたスパイ映画の中でのある種の究極系というか、ここまでの様式美が徹底された作品はなかなかない。本当に続編の予定がないのがもったいないというか、もったいない。


9.百円の恋


百円の恋

監督:武正晴
脚本:足立紳
出演:安藤サクラ新井浩文

ニートで今まで特に何もしてこなかった主人公が試合後のボクサーを見て「お互いの肩をポンポンしているのが良い」と思ってボクシングを始めるのがすごくいいと思う。
安藤サクラさんなしでは成立しなかった映画だとおもうけれど、安藤サクラさんがどんどん引き締まってボクサーになっていく過程の凄みは本当にすごかった。


10.ナイトクローラー


ナイトクローラー [Blu-ray]

監督、脚本:ダン・ギルロイ
出演:ジェイク・ギレンホールレネ・ルッソ、リズ・アーメッド

日本公開が待ちきれず海外版Blu-rayを買ってしまうほどだったのですが、日本公開のときに改めて見て、こんなに自己啓発本のコピペみたいなセリフばかり話していたのか!と驚かされました。
ガリッガリに痩せたジェイク・ギレンホールの全てを見ているようで何を見ているのかわからない瞳の異様さは一度見たら忘れられないですね。
助演のリズ・アーメッドさんはスターウォーズ・ローグワンにも出演予定らしいので非常に楽しみです。



その他にも、おもしろかった映画についてざざっと

『ネイバーズ』
夢のマイホームの隣に社交クラブがやってきたコメディ。セス・ローゲン夫婦が大学生に対して悪ぶって優位に立とうとするくだりが好き。

『フォックスキャッチャー』
アメリカの理想を体現しようとすると気が狂うしかないのだろうか。
チャニング・テイタムのしょぼくれゴリラっぷりがマジック・マイクと同一人物とは思えないすばらしさ。

テラスハウス・クロージング・ドア』
ゴーン・ガールやバードマンに続くSNS映画。

『インド・オブ・ザ・デッド』
テロップの皮肉がすごい。ロシア訛りの英語を話すインド人がでてきます。

『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』
マッドな世界をこれ以上無く精緻に描いた傑作。何度でも見たい。
人喰い男爵のカフスボタンが乳首モチーフなのとかそういう細かな気配りがすごい。

『はじまりのうた』
二股イヤホンアダプタの使い方オブザイヤーですね。

『フレンチアルプスで起きたこと』
今年のベスト男泣き映画です。洗面所の使い方がいい。

『懲罰大陸★USA』
絶対に行きたくない理不尽パーク。

アントマン
ベスト3D効果&おじさんたちかわいい映画。

『ローリング』
普通のひとのしょうもなさ見本市。ロケーションと劇伴もとてもいい。


来年も、年明けからいきなり「未体験ゾーンの映画たち」が始まりますし、今年以上におもしろい映画をたくさん見ていきたいと思います。
あと「週間ランキングで1位をとった映画を全部見る」と言いつつ途中からちゃんとできなかったので、2016年こそは達成したいです。

シャマラン最新作『ヴィジット』は恐怖と笑いと茶目っ気と、サービス精神もりもりのサイコーの映画である

さて、ついに明日、M・ナイト・シャマラン監督の最新作『ヴィジット』が日本での公開を迎えます。

f:id:ciranai1:20151022012722j:plain

シャマラン監督が製作費の500万ドルを自腹で払い、ホラー映画のプロデューサーとしては現在ハリウッド1の売れっ子であろうジェイソン・ブラムを製作に迎えた本作は、『ハプニング』以来のフィラデルフィアを舞台にしたスリラー作品であることや、全体がミステリーじかけであることから「原点回帰の作品」とうたわれています。
また9月に全米公開された際には、オープニングの興行収入で2500万ドルを稼ぎ、更にはレビューの反応も上々だったことから「シャマラン復活ののろし」などとも言われていました。
ですが、正直この作品「のろし」どころの騒ぎではありません。
随所でシャマランらしさを発揮しつつ、きちんと新しいチャレンジをしつつ、茶目っ気とサービス精神がふんだんに盛り込まれたサイコーの映画となっております。
というわけでそんな映画を1人でも多くの人に見ていただきたいので、個人的なおすすめポイントをまとめました。


映画『ヴィジット』予告編 - YouTube

あらすじ
母親が15年前に絶縁したという祖父母に招かれ、メイソンビルという田舎町にある家を訪れたベッカとタイラーの姉弟。暖かく迎えられ交流を楽しんでいた2人だったが、おじいちゃんとおばあちゃんがときおり見せる奇妙な言動に姉弟の不安は高まっていく。

 

1.恐怖の対象のフレッシュさ

『ヴィジット』では、おじいちゃんおばあちゃんという「肉親」が恐怖の対象として描かれるわけですが、この点に関してシャマランは、

年配の家族に恐怖を持ってしまうというのは、誰にでも思い当たるものかもしれない。それは恐らく、老いることへの恐怖からきていると思う
M・ナイト・シャマラン監督、“どんでん返し”を期待される心境を告白 | ニュースウォーカー

と語っています。
たしかに老人ってその存在だけでちょっと怖いなと思う時があるんですよね。特に子供にとっての老人というのは、自分と同じ人間のはずなのになんでこんなに違うんだろうだとか、奇妙で不穏な存在なんだと思います。生まれてこのかた10年以上会っていなかった老人を自分の血縁者だと言われたら、その違和感は更に強まるかもしれません。
そのような感覚がホラー的に撮られているというのが今回とてもフレッシュでした。
シャマランは今までにも「自分の身体」や「植物」といった、身近だと思っていたものが変質した時の恐怖をたびたび描いてきましたが、そういった普遍的で潜在的に恐ろしいモチーフを選んでくるのが本当にうまいなと思います。

2.底意地の悪い笑いが存分に楽しめる

『サイン』の頭にアルミホイルだったり、『ハプニング』で造花に優しく語りかけるマーク・ウォルバーグであったりと、ある状況下で追い詰められた人間が取る行動の滑稽さを描くときのシャマラン監督はの手つきは、異常に周到で、巧みです。もっと他の部分も頑張るべきなのではないかというくらいきちんと伏線を張ります。
私はそんなシャマランの底意地の悪い笑いが大好きなのですが、『ヴィジット』ではそれが存分に味わえます。
不穏さや恐ろしさを全力で張り詰めた後のまさかの行動や出来事、という笑いの基本である「緊張と緩和」に忠実な展開に、怖がったり笑ったり、あるいは笑いながら怖がったりと、振りまわっされっぱなしです。
また、シャマランといえばストーリー展開の粗というか、伏線等をふっ飛ばした構成が批判されがちですが、今回ジャンルを「ホラーコメディ」と定めて笑いの状況を組み立てることに注力したことで、その丁寧さが映画全編に行き渡り、ストーリーテリングにもいい効果を与えているように思います。

3.純粋な画面の楽しさ

最初に『ヴィジット』を見たときは字幕も何もない状態で見てしまったんですが、すごく画面が楽しくて、それだけですごく満足感があったのが印象に残っています。
それは、POVという形式を選んだことで炸裂したシャマラン特有のトリッキーな構図と、これもまたシャマランの持ち味であるルックの上品さが、劇映画だけでなくドキュメンタリー作品の撮影を多く経験してきたマリス・アルペルチの撮影のもとでバランス良く融合しているからだろうとそのときは思いました。
ですが、クローズドキャプション付きで2回目を見たとき、下のリンク先の動画でシャマランが語っているように

『ヴィジット 』特別映像 - スペシャル映像 - Yahoo!映画

姉弟のそれぞれの視点を通して「映画そのものに対してシャマランが託しているもの」と「撮るという行為の純粋な喜び」が表現されているということがわかったんですよね。
見ないほうが、撮らないほうが良いものを、見ずには、撮らずにはいられないという好奇心が映画全体できらめいていますし、ベッカが映画の中盤で取るある行動には「シャマランはあの信念を映画で表現することを諦めてはいなかったのだ!」ということが分かります。
最近の作品では表現されていなかったシャマランの映画に対する祈りが、映画の体裁を壊すこと無く映画に組み込まれているというのは、それこそ最高と言うほかありません。


というように、様々な要素が有機的に作用し合った結果『ヴィジット』は素晴らしい映画になっています。シャマラン好きにはもちろん、そうでない方にもおすすめできる一本なのではないでしょうか。
以上であげた部分の他にも、キャスト、特に子役の演技が素晴らしいとか、まさかシャマラン映画で「◯◯◯」が見られるとはというようなものがいくつも出てきたりだとか、非常に見どころの多い楽しい映画となっています。
残念ながら日本での公開館数はそこまで多くありませんが、ぜひ劇場で見ていただきたい映画です。
ぜひ!劇場で見ていただきたい映画です!!!!!!

今週の1位を見る #2『テラスハウス クロージング・ドア』

年明けからずっと続いていた『ベイマックス』の1位を止める映画は一体なにになるのだろうかと楽しみにしていたら、まさかの『テラスハウス クロージング・ドア』。


ランキング上位の他の作品はどれも300以上の映画館で公開されているのに対し、『テラスハウス』はそのほぼ半分の160館で1位を取る程の人気ぶりなので、まさかのという表現は失礼かもしれない。
さらに失礼なことに、テレビ放送はほとんど見ておらず事前の知識がほぼない状態、というよりも「どうせ『あいのり』みたいなやつだろ」という先入観しかない状態で見に行ってしまったんですが、それを土下座して詫びたいと思います。

自己の近況や趣味趣向をその見え方を意識しつつラッピングしながら公にアップデートしなければならないという大SNS時代で生きていく中で生じる様々な困難さとある種の心地よさがテラスハウスというコンテンツには凝縮されているわけで、テラスハウスが「リアル」として受容されているとしたらそれはメンバーのinstagramのようなライフスタイルに対してではなく、お互いの言動を相互に緩やかに監視しされ続ける中で自己の振る舞いや表象をコントロールしなければならないという状況に対してなのではないでしょうか。
テラスハウスの出演者の多くは、自己や所属する団体のPRのために出演を決めているわけなので、その目的の達成のためにはできるだけ多くの時間オンエア映像に映るか、あるいは視聴者の印象に残ったり好まれたりする必要がある。つまりは常に自分の立ち位置と状況を把握し、もっともテレビ映えするような言動を選択し続けなければいけないわけで。そんな状況下では「自分はこうしたいと思った」と「この状況ではこうすべきだと思った」の切り分けは非常に困難になるでしょう。
映画『ゴーン・ガール』で描かれていたように、SNSやらメディア上での自己の表象をコントロール出来ない人間は即刻社会的に死ぬ、あるいは存在しないのと同等に取り扱われてしまうご時世なわけですから、そのような混乱は決してテラスハウスメンバーに限ったことではなく多くの人に共通するものであり、このような社会の中での人々の振る舞いをとらえた記録映像として『テラスハウス』は興味深いしめちゃくちゃおもしろいなと思いました。

今週の1位を見る #1『ベイマックス』

昨年なんだかんだで120本くらい劇場で映画を見ていたんですがそれを昨年の興行収入ランキングと照らしあわせたところ上位20本の内6本しか見ていなかったので、これはダメだということでその週のランキングで1位の作品をその週の内に見るというのを本年の目標に据えました。

いつまで続くかはわからないんですが、とりあえず今年の一本目


『ベイマックス』本予告編 - YouTube

『妖怪ウォッチ』と同日公開で、2週続けての2位だったベイマックスが3週目で1位を獲得しました。
説明不要のディズニー最新作です。
正直、見ようかどうしようかずっと悩んでいたので自分で自分に見ることを強制する状況になって幸運でした。
というのも、宣伝で並べて挙げられているタイトル『シュガー・ラッシュ』も『アナと雪の女王』もその終盤付近の展開で激怒したという経緯があり。またそういうことになったら嫌だなというのと、しかし今度はMARVEL原作のヒーローものですし楽しめるんじゃないかという期待もあったんですが、結果的にはめちゃくちゃ面白かったです。

同時上映の短編『FEAST』が最悪とは聞いていたんですが予想していたよりもずっと悪くて結構テンション下がった状態で本編に入ったんですが、最初の闇ロボットバトルのシーンからもう全てもっていかれました。

どのシーンを取っても素晴らしく爽快でスペクタクルにあふれていて本当に見事だなぁと言うほかなく。特にマイクロボットが人の動きに合わせてグワーッと立ち上がるときの気持ち良さとか最高ですよね。
そして何よりやっぱりベイマックスのキャラクター造形が素晴らしいなと思います。
(●ー●)と記号で書けてしまうその顔をはじめ、見ている人を微笑ませほっこりさせるのに最適化された振る舞い。
途中でベイマックスに格闘を覚えさせるためにカラテのデータをインプットするシーンがありますが、お兄さんのタダシはああいうようなことを猫とか赤ちゃんとかのデータでやっていたのかなと思うとなんとも言えない気持ちになります。
そのくらい工学的・演算的に追求されたかわいさで、これがもっと人間っぽい見た目だったらあざとさが目についていたと思うのでそこらへんのバランスの取り方が見事だなぁと思います。
ロボットが人間の生活に馴染むには便利さと同時にある程度の役に立たなさを持たなければならないというのは職業的な関心からしても興味深かったです。

シュガーラッシュやアナと雪の女王では最悪だった悪役の扱いも、ヒロの振る舞いと対比させた上で最後には救いのあるものになっていたのでよかったです。

しかしどうしても避けられないマーベル臭というか、「自意識過剰で過剰防衛的な正義が敗北する」(しかも今回の悪役の苗字からして過去のアメリカの正義としてのあの人を指してますよね多分)という話をディズニーが作っているのはアメリカの息苦しさがダイレクトに伝わってきて見ていてつらいものがあります。

あと、実写映画っぽいカメラで撮ったような画面が多いのも個人的には気になりました。LEGOムービーでも似たような画作りをしていたんですけど、あれはその外の世界を示唆する明確な理由が存在していたのでストーリーにも効果的に作用していたんですが、ベイマックスにおいてカメラあるいはレンズの存在を表現するのってそこまでの必然性がないですし、むしろ没入感を阻害している部分もあるように思います。

なんだかんだ言いましたが、やっぱディズニーすげぇなというか、きちんと手間とお金と時間を十全にかけられた作品を見るのは楽しいですし、見てよかったなと思います。