2015年に見た映画について

今年は映画館では新作旧作含めて203回(2回とか7回とか見てる映画もあるので作品数だともっとすくない)、家で見たのは鑑賞の態度としてちゃんと見れていない感覚があったのできちんと記録つけてませんが多分30〜40本くらいだと思います。
TOHOシネマズフリーパスのおかげもあって映画館で見た回数は多分今までで1番多いんですが、今年は本当におもしろい映画が多かったなーという印象があります。特に実写の日本映画が見る作品見る作品おもしろくて、来年からはもっとたくさん見ていきたいなとおもいました。

そんなこんなで今年見た映画の個人的ベスト10

1.ハッピーボイス・キラー


ハッピーボイス・キラー [Blu-ray]

監督:マルジャン・サトラピ
脚本:マイケル・R・ペリー
出演:ライアン・レイノルズジェマ・アータートンアナ・ケンドリック

セリフだったり挙動だったりで主人公と社会の間のズレを少しずつ明らかにしていく、その手際がすごくうまい。
1番印象的だったのは、そのズレが画面の演出として最大化される場面の、「この要素をこんな風にトリック的な使い方して良いんだ!」という驚きと、そこで改めて突きつけられる主人公の境遇のしんどさ。
あとこの映画はエンドロールがすごく素晴らしくて、表面的には明るくハッピーな雰囲気なんだけれども、ここに凝縮されている主人公の願いはかなわなかったし、なによりその願った世界の狭さが悲しくて、エンドロールでこんなに泣くかというくらい泣いた。


2.ヴィジット


ヴィジット【DVD化お知らせメール】 [Blu-ray]

監督、脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:キャスリン・ハーン、ディアナ・デュナガン、ピーター・マクロビー、エド・オクセンボールド、オリビア・デヨング

以前にこのブログでも感想書いたけど、やはり何度見てもあたらしい発見があるし、みずみずしさにあふれた画面、周到に用意される笑いと恐怖、作品全体に貫かれる物語や映画に対するシャマランの信念はサイコーと言うほかない。
「罵る言葉の代わりに女性歌手の名前を言う」は今年の最も偉大な発明だと思う。
エンドロール始まってStandtallの曲が流れる瞬間がすごく好き。


3. ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション


ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション ブルーレイ+DVDセット(2枚組) [Blu-ray]

監督、脚本:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズレベッカファーガソン、ジェレミー・レナー、サイモン・ペグ、アレック・ボールドウィン

トム・クルーズの登場シーンはそのタイミングと出方とともに100点満点で、何度見ても拍手喝采を送りたくなる。
重みを感じるアクション、おなじみの仲間とのチームプレイ、クリストファー・マッカリーにしかできないであろうトム・クルーズジョーク、光と影のコントラストのきいた美しい画面など素晴らしい要素はたくさんあるけれど、なによりイルサ・ファウストというキャラクターの素晴らしさがすごい。
今回限りになってしまうのはもったいないと思っていたら続編にも出るかもとのことなので非常に楽しみ。


4.マジック・マイクXXL


マジック・マイク XXL ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

監督:グレゴリー・ジェイコブズ
脚本:リード・カロリン
出演:チャニング・テイタムマット・ボマー、ジョー・マンガニエロ、ケヴィン・ナッシュ、アダム・ロドリゲス

相手も自分ももう若いとは言えない年齢だし、社会的に上手くいっているとはいえない状況で余計なことを言って傷ついたり傷つけたりしたくない。そんな関係性の中で交わされる思いやりにあふれた表面的で冗談めかしたやり取りがなんとも言えない気持ちにさせる。
だからこそ、ふとした瞬間に発せられる一言がさりげなくても大きな意味をもつし、パフォーマンスシーンで爆発する感情が心からの開放感をもたらすのだなと思う。
今見ても思わず涙してしまったりしまうのだけれど、この先10年、20年経ったときにまた見え方が変わってくるんだろうと思わせる作品。

5.ブルー・リベンジ


ブルー・リベンジ [Blu-ray]

監督、脚本:ジェレミー・ソルニエ
出演:メイコン・ブレア、デヴィン・ラトレイ

小太りで内気な主人公が起こす復讐が本当に陰鬱でタイトル通りブルーな気持ちになる。
ふつう復讐譚ではその重苦しさを回避するためにアクションの華麗さなどがあるけれど、そういうのも一切なし。主人公が復讐に至ったその大本の事件の真相が明らかになるほどに、そのどうしようもなさにどんどんつらくなる。
ただ素人ならではの下手こいたりなどの緊迫感もきちんとあるし、画面もすごく美しくて、ただの暗い映画にしない、そのバランスがすばらしい。


6.ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲


WHITE GOD

監督、脚本:コルネル・ムンドルッツォ
出演:ジョーフィア・プショッタ、シャーンドル・ジョーテール、ラースロー・ガールフィ、ルーク&ボディ

https://www.instagram.com/p/-qoNg3JBRL/
大体の感想は上のURLに書いてあるけれど、寄る辺のない思春期の少女と愛犬というモチーフの強靭さと、人影の見えないブタペストのまちを疾走する犬たちの姿の強烈さ。
「雑種」が排除されない世の中になることを祈るしかない。


7.Ex Machina


Ex_Machina [Blu-ray]

監督、脚本:アレックス・ガーランド
出演:ドーナル・グリーソン、オスカー・アイザックアリシア・ヴィキャンデル

AIと人間の境界線とか、アンドロイドのセクシャリティとはとか、興味深い問題提起をたくさんしている作品だとおもうのですが、個人的にはドーナル・グリーソンとオスカー・アイザックの身体性の対比がおもしろかった。
ボクササイズとかしちゃって身体的にドライブできるオスカー・アイザックさんと、ヒョロッヒョロでいかにもギークなドーナル・グリーソンさんのその身体性がことあるごとに対比されていて、作中出てくるアンドロイドの造形とも結びついてるんですよね。
そして、その違いがことさらに強調されるダンスシーンがあるのですが、そのシーンのヤダみというか居心地の悪さが素晴らしかった。
ドーナル・グリーソンさんもオスカー・アイザックさんも『フォースの覚醒』のメインキャストだし、アリシア・ヴィキャンデルさんはこの作品をきっかけに大ブレイクしているのに、日本公開されていないのが本当にもったいない。


8.コードネーム U.N.C.L.E.


「コードネームU.N.C.L.E.」 オリジナル・サウンドトラック

監督:ガイ・リッチー
脚本:ライオネル・ウィグラム、ガイ・リッチー
出演:ヘンリー・カヴィルアーミー・ハマーアリシア・ヴィキャンデル、エリザベス・デビッキ

https://www.instagram.com/p/-sFLCmpBQA/
詳しい感想は上のURLに書いてあるのですが、今年たくさん公開されたスパイ映画の中でのある種の究極系というか、ここまでの様式美が徹底された作品はなかなかない。本当に続編の予定がないのがもったいないというか、もったいない。


9.百円の恋


百円の恋

監督:武正晴
脚本:足立紳
出演:安藤サクラ新井浩文

ニートで今まで特に何もしてこなかった主人公が試合後のボクサーを見て「お互いの肩をポンポンしているのが良い」と思ってボクシングを始めるのがすごくいいと思う。
安藤サクラさんなしでは成立しなかった映画だとおもうけれど、安藤サクラさんがどんどん引き締まってボクサーになっていく過程の凄みは本当にすごかった。


10.ナイトクローラー


ナイトクローラー [Blu-ray]

監督、脚本:ダン・ギルロイ
出演:ジェイク・ギレンホールレネ・ルッソ、リズ・アーメッド

日本公開が待ちきれず海外版Blu-rayを買ってしまうほどだったのですが、日本公開のときに改めて見て、こんなに自己啓発本のコピペみたいなセリフばかり話していたのか!と驚かされました。
ガリッガリに痩せたジェイク・ギレンホールの全てを見ているようで何を見ているのかわからない瞳の異様さは一度見たら忘れられないですね。
助演のリズ・アーメッドさんはスターウォーズ・ローグワンにも出演予定らしいので非常に楽しみです。



その他にも、おもしろかった映画についてざざっと

『ネイバーズ』
夢のマイホームの隣に社交クラブがやってきたコメディ。セス・ローゲン夫婦が大学生に対して悪ぶって優位に立とうとするくだりが好き。

『フォックスキャッチャー』
アメリカの理想を体現しようとすると気が狂うしかないのだろうか。
チャニング・テイタムのしょぼくれゴリラっぷりがマジック・マイクと同一人物とは思えないすばらしさ。

テラスハウス・クロージング・ドア』
ゴーン・ガールやバードマンに続くSNS映画。

『インド・オブ・ザ・デッド』
テロップの皮肉がすごい。ロシア訛りの英語を話すインド人がでてきます。

『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』
マッドな世界をこれ以上無く精緻に描いた傑作。何度でも見たい。
人喰い男爵のカフスボタンが乳首モチーフなのとかそういう細かな気配りがすごい。

『はじまりのうた』
二股イヤホンアダプタの使い方オブザイヤーですね。

『フレンチアルプスで起きたこと』
今年のベスト男泣き映画です。洗面所の使い方がいい。

『懲罰大陸★USA』
絶対に行きたくない理不尽パーク。

アントマン
ベスト3D効果&おじさんたちかわいい映画。

『ローリング』
普通のひとのしょうもなさ見本市。ロケーションと劇伴もとてもいい。


来年も、年明けからいきなり「未体験ゾーンの映画たち」が始まりますし、今年以上におもしろい映画をたくさん見ていきたいと思います。
あと「週間ランキングで1位をとった映画を全部見る」と言いつつ途中からちゃんとできなかったので、2016年こそは達成したいです。

シャマラン最新作『ヴィジット』は恐怖と笑いと茶目っ気と、サービス精神もりもりのサイコーの映画である

さて、ついに明日、M・ナイト・シャマラン監督の最新作『ヴィジット』が日本での公開を迎えます。

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シャマラン監督が製作費の500万ドルを自腹で払い、ホラー映画のプロデューサーとしては現在ハリウッド1の売れっ子であろうジェイソン・ブラムを製作に迎えた本作は、『ハプニング』以来のフィラデルフィアを舞台にしたスリラー作品であることや、全体がミステリーじかけであることから「原点回帰の作品」とうたわれています。
また9月に全米公開された際には、オープニングの興行収入で2500万ドルを稼ぎ、更にはレビューの反応も上々だったことから「シャマラン復活ののろし」などとも言われていました。
ですが、正直この作品「のろし」どころの騒ぎではありません。
随所でシャマランらしさを発揮しつつ、きちんと新しいチャレンジをしつつ、茶目っ気とサービス精神がふんだんに盛り込まれたサイコーの映画となっております。
というわけでそんな映画を1人でも多くの人に見ていただきたいので、個人的なおすすめポイントをまとめました。


映画『ヴィジット』予告編 - YouTube

あらすじ
母親が15年前に絶縁したという祖父母に招かれ、メイソンビルという田舎町にある家を訪れたベッカとタイラーの姉弟。暖かく迎えられ交流を楽しんでいた2人だったが、おじいちゃんとおばあちゃんがときおり見せる奇妙な言動に姉弟の不安は高まっていく。

 

1.恐怖の対象のフレッシュさ

『ヴィジット』では、おじいちゃんおばあちゃんという「肉親」が恐怖の対象として描かれるわけですが、この点に関してシャマランは、

年配の家族に恐怖を持ってしまうというのは、誰にでも思い当たるものかもしれない。それは恐らく、老いることへの恐怖からきていると思う
M・ナイト・シャマラン監督、“どんでん返し”を期待される心境を告白 | ニュースウォーカー

と語っています。
たしかに老人ってその存在だけでちょっと怖いなと思う時があるんですよね。特に子供にとっての老人というのは、自分と同じ人間のはずなのになんでこんなに違うんだろうだとか、奇妙で不穏な存在なんだと思います。生まれてこのかた10年以上会っていなかった老人を自分の血縁者だと言われたら、その違和感は更に強まるかもしれません。
そのような感覚がホラー的に撮られているというのが今回とてもフレッシュでした。
シャマランは今までにも「自分の身体」や「植物」といった、身近だと思っていたものが変質した時の恐怖をたびたび描いてきましたが、そういった普遍的で潜在的に恐ろしいモチーフを選んでくるのが本当にうまいなと思います。

2.底意地の悪い笑いが存分に楽しめる

『サイン』の頭にアルミホイルだったり、『ハプニング』で造花に優しく語りかけるマーク・ウォルバーグであったりと、ある状況下で追い詰められた人間が取る行動の滑稽さを描くときのシャマラン監督はの手つきは、異常に周到で、巧みです。もっと他の部分も頑張るべきなのではないかというくらいきちんと伏線を張ります。
私はそんなシャマランの底意地の悪い笑いが大好きなのですが、『ヴィジット』ではそれが存分に味わえます。
不穏さや恐ろしさを全力で張り詰めた後のまさかの行動や出来事、という笑いの基本である「緊張と緩和」に忠実な展開に、怖がったり笑ったり、あるいは笑いながら怖がったりと、振りまわっされっぱなしです。
また、シャマランといえばストーリー展開の粗というか、伏線等をふっ飛ばした構成が批判されがちですが、今回ジャンルを「ホラーコメディ」と定めて笑いの状況を組み立てることに注力したことで、その丁寧さが映画全編に行き渡り、ストーリーテリングにもいい効果を与えているように思います。

3.純粋な画面の楽しさ

最初に『ヴィジット』を見たときは字幕も何もない状態で見てしまったんですが、すごく画面が楽しくて、それだけですごく満足感があったのが印象に残っています。
それは、POVという形式を選んだことで炸裂したシャマラン特有のトリッキーな構図と、これもまたシャマランの持ち味であるルックの上品さが、劇映画だけでなくドキュメンタリー作品の撮影を多く経験してきたマリス・アルペルチの撮影のもとでバランス良く融合しているからだろうとそのときは思いました。
ですが、クローズドキャプション付きで2回目を見たとき、下のリンク先の動画でシャマランが語っているように

『ヴィジット 』特別映像 - スペシャル映像 - Yahoo!映画

姉弟のそれぞれの視点を通して「映画そのものに対してシャマランが託しているもの」と「撮るという行為の純粋な喜び」が表現されているということがわかったんですよね。
見ないほうが、撮らないほうが良いものを、見ずには、撮らずにはいられないという好奇心が映画全体できらめいていますし、ベッカが映画の中盤で取るある行動には「シャマランはあの信念を映画で表現することを諦めてはいなかったのだ!」ということが分かります。
最近の作品では表現されていなかったシャマランの映画に対する祈りが、映画の体裁を壊すこと無く映画に組み込まれているというのは、それこそ最高と言うほかありません。


というように、様々な要素が有機的に作用し合った結果『ヴィジット』は素晴らしい映画になっています。シャマラン好きにはもちろん、そうでない方にもおすすめできる一本なのではないでしょうか。
以上であげた部分の他にも、キャスト、特に子役の演技が素晴らしいとか、まさかシャマラン映画で「◯◯◯」が見られるとはというようなものがいくつも出てきたりだとか、非常に見どころの多い楽しい映画となっています。
残念ながら日本での公開館数はそこまで多くありませんが、ぜひ劇場で見ていただきたい映画です。
ぜひ!劇場で見ていただきたい映画です!!!!!!

今週の1位を見る #2『テラスハウス クロージング・ドア』

年明けからずっと続いていた『ベイマックス』の1位を止める映画は一体なにになるのだろうかと楽しみにしていたら、まさかの『テラスハウス クロージング・ドア』。


ランキング上位の他の作品はどれも300以上の映画館で公開されているのに対し、『テラスハウス』はそのほぼ半分の160館で1位を取る程の人気ぶりなので、まさかのという表現は失礼かもしれない。
さらに失礼なことに、テレビ放送はほとんど見ておらず事前の知識がほぼない状態、というよりも「どうせ『あいのり』みたいなやつだろ」という先入観しかない状態で見に行ってしまったんですが、それを土下座して詫びたいと思います。

自己の近況や趣味趣向をその見え方を意識しつつラッピングしながら公にアップデートしなければならないという大SNS時代で生きていく中で生じる様々な困難さとある種の心地よさがテラスハウスというコンテンツには凝縮されているわけで、テラスハウスが「リアル」として受容されているとしたらそれはメンバーのinstagramのようなライフスタイルに対してではなく、お互いの言動を相互に緩やかに監視しされ続ける中で自己の振る舞いや表象をコントロールしなければならないという状況に対してなのではないでしょうか。
テラスハウスの出演者の多くは、自己や所属する団体のPRのために出演を決めているわけなので、その目的の達成のためにはできるだけ多くの時間オンエア映像に映るか、あるいは視聴者の印象に残ったり好まれたりする必要がある。つまりは常に自分の立ち位置と状況を把握し、もっともテレビ映えするような言動を選択し続けなければいけないわけで。そんな状況下では「自分はこうしたいと思った」と「この状況ではこうすべきだと思った」の切り分けは非常に困難になるでしょう。
映画『ゴーン・ガール』で描かれていたように、SNSやらメディア上での自己の表象をコントロール出来ない人間は即刻社会的に死ぬ、あるいは存在しないのと同等に取り扱われてしまうご時世なわけですから、そのような混乱は決してテラスハウスメンバーに限ったことではなく多くの人に共通するものであり、このような社会の中での人々の振る舞いをとらえた記録映像として『テラスハウス』は興味深いしめちゃくちゃおもしろいなと思いました。

今週の1位を見る #1『ベイマックス』

昨年なんだかんだで120本くらい劇場で映画を見ていたんですがそれを昨年の興行収入ランキングと照らしあわせたところ上位20本の内6本しか見ていなかったので、これはダメだということでその週のランキングで1位の作品をその週の内に見るというのを本年の目標に据えました。

いつまで続くかはわからないんですが、とりあえず今年の一本目


『ベイマックス』本予告編 - YouTube

『妖怪ウォッチ』と同日公開で、2週続けての2位だったベイマックスが3週目で1位を獲得しました。
説明不要のディズニー最新作です。
正直、見ようかどうしようかずっと悩んでいたので自分で自分に見ることを強制する状況になって幸運でした。
というのも、宣伝で並べて挙げられているタイトル『シュガー・ラッシュ』も『アナと雪の女王』もその終盤付近の展開で激怒したという経緯があり。またそういうことになったら嫌だなというのと、しかし今度はMARVEL原作のヒーローものですし楽しめるんじゃないかという期待もあったんですが、結果的にはめちゃくちゃ面白かったです。

同時上映の短編『FEAST』が最悪とは聞いていたんですが予想していたよりもずっと悪くて結構テンション下がった状態で本編に入ったんですが、最初の闇ロボットバトルのシーンからもう全てもっていかれました。

どのシーンを取っても素晴らしく爽快でスペクタクルにあふれていて本当に見事だなぁと言うほかなく。特にマイクロボットが人の動きに合わせてグワーッと立ち上がるときの気持ち良さとか最高ですよね。
そして何よりやっぱりベイマックスのキャラクター造形が素晴らしいなと思います。
(●ー●)と記号で書けてしまうその顔をはじめ、見ている人を微笑ませほっこりさせるのに最適化された振る舞い。
途中でベイマックスに格闘を覚えさせるためにカラテのデータをインプットするシーンがありますが、お兄さんのタダシはああいうようなことを猫とか赤ちゃんとかのデータでやっていたのかなと思うとなんとも言えない気持ちになります。
そのくらい工学的・演算的に追求されたかわいさで、これがもっと人間っぽい見た目だったらあざとさが目についていたと思うのでそこらへんのバランスの取り方が見事だなぁと思います。
ロボットが人間の生活に馴染むには便利さと同時にある程度の役に立たなさを持たなければならないというのは職業的な関心からしても興味深かったです。

シュガーラッシュやアナと雪の女王では最悪だった悪役の扱いも、ヒロの振る舞いと対比させた上で最後には救いのあるものになっていたのでよかったです。

しかしどうしても避けられないマーベル臭というか、「自意識過剰で過剰防衛的な正義が敗北する」(しかも今回の悪役の苗字からして過去のアメリカの正義としてのあの人を指してますよね多分)という話をディズニーが作っているのはアメリカの息苦しさがダイレクトに伝わってきて見ていてつらいものがあります。

あと、実写映画っぽいカメラで撮ったような画面が多いのも個人的には気になりました。LEGOムービーでも似たような画作りをしていたんですけど、あれはその外の世界を示唆する明確な理由が存在していたのでストーリーにも効果的に作用していたんですが、ベイマックスにおいてカメラあるいはレンズの存在を表現するのってそこまでの必然性がないですし、むしろ没入感を阻害している部分もあるように思います。

なんだかんだ言いましたが、やっぱディズニーすげぇなというか、きちんと手間とお金と時間を十全にかけられた作品を見るのは楽しいですし、見てよかったなと思います。

1月21日に見たもの

Evolution of the Dolly Zoom from Vashi Nedomansky on Vimeo.

ドリーズームの歴史。



Tom Hardy & Takashi Miike Reportedly Exit Yakuza Flick 'The Outsider' | The Playlist
三池崇史トム・ハーディのYAKUZA映画の話がスケジュールもろもろで無くなったらしく、わりと楽しみにしていたので残念な気持ちもありつつ、まぁヤクザものやるなら日本でやったほうがいい気もする。

初夢

なんか、いろんな大学の大学生が無数に参加している合宿みたいなのに参加したんだけど、その宿泊施設がほぼ廃村みたいな感じだった。ひとつひとつの建物は工法とかは日本家屋っぽいのに、なぜか普通の日本家屋3個分くらいの高さがあって、その上扉とか壁はボロボロですきま風入り放題で、道の両側に建物が立ち並ぶ様子はまるで切り通しみたいだった。合宿自体の内容も使われてないビルみたいな建物の中でパレードみたいな練習をさせられてたりとかよくわからない感じで、大学で同学年だった人とか今は微妙に疎遠な人とかも居て若干胸が痛い思いもしつつ帰る時間になり、なぜか大学ごとに帰りの時間が決まっていて係員のような人が一人ひとり一人ひとりにその時間を伝えて回ってるんだけど、その伝えられた時間が20分後とかでまだ荷物もまとめてないし、荷物探しても見つからないしっていう夢。

1月18日に見たもの

アートになった「ストリートビューの失敗」:ギャラリー « WIRED.jp


'Frank' Clip from The Playlist on Vimeo.

この映画にマイケル・ファスベンダー出てるって書いてあってファスベンダーどこだよって思ったらかぶりものしてた。マイケル・ファスベンダーの顔を封じるの出落ちっぽいけど予告編おもしろそうだし気になる。